消費者金融、審査強化で成約3割 厚労省制度見直しへ/朝日新聞(7月26日)
消費者金融における融資の「成約率」が、3割を切って低迷している。新たに融資を申し込んだ10人のうち、借りられたのは3人もいない状況だ。貸金業法の全面施行を控えて業者側が審査を強化しているためだが、借りられなかった人が違法なヤミ金融に頼る可能性もある。「受け皿」となる公的貸付制度の整備が課題になっており、厚生労働省は制度を見直す方針だ。
日本貸金業協会の調査によると、消費者向け無担保貸し付けの成約率(132社まとめ)は06年9月に4割を超えていたのが、08年3月には26.8%まで下がった。今年3月も27.7%(速報値、21社まとめ)と、3割を切っている。
多重債務問題に対応するため06年12月にできた貸金業法によって、規制が段階的に強まっていることが大きな要因だ。上限金利の引き下げや借入残高の総量規制も来年6月までに導入される予定で、業者による顧客の選別が進んでいる。世界的な金融危機で業者が自らの資金繰りを優先し、融資を手控えたことも成約率を押し下げた。
協会が今年2月に公表したアンケート結果(複数回答あり)では、希望通りに借りられなかった人のうち、支出の抑制や収入増の努力で借金を見送った人は7割。親族や知人らから借りた人が3割いて、「ヤミ金融など非正規の業者を探した」人も7%いた。借り入れ経験者全体では12%がヤミ金融の利用経験があり、そのうち3%はいまも利用していた。
業界側は「正規業者から借りられない場合、ヤミ金融に頼る人は予想以上に多い」(協会)とみており、ヤミ金融を拡大させないためにも、規制強化を緩めるよう求める意見が根強い。
これに対し、多重債務者の支援団体や弁護士らは、公的資金による低利の貸付制度が十分機能していなかった問題を指摘する。金融庁の有識者会議委員でもある宇都宮健児弁護士は「失業者らへのセーフティーネット(安全網)としての貸し付けを、高金利の消費者金融が担ってきたこと自体がおかしい」という。
公的貸付制度はこれまでもあったが、利用件数は伸び悩んできた。厚労省によると「生活福祉資金貸付制度」は原資が約2千億円あるのに、実際に利用されているのは08年3月末で約17万件、1千億円弱と半分程度。制度が知られていないことに加え、借り入れに際し保証人を必要とするなど使い勝手も悪かった。
厚労省は今月中にも制度を見直し、10月から保証人を不要とし貸付金利も引き下げる。「条件緩和や広報活動で利用を増やしたい」(地域福祉課)とするが、どの程度利用が進むかは不透明だ。
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