正貸金業法PT、完全実施控え議論平行線/産経新聞(1月25日)
貸金業者への規制強化を盛り込んだ改正貸金業法に関する金融庁のプロジェクトチーム(PT)の論議の行方がみえない。経済環境が悪化する中、6月の完全施行の延期や同法の再改正を模索する声もあったが、亀井静香金融相は予定通りの完全施行を繰り返し明言。PTでの検討は完全施行の環境整備が中心にならざるを得ず、現時点で具体化しつつあるのは、利用者が払いすぎた利息を返還する「過払い金返還請求」にかかわる問題だけだ。
■議論は平行線
22日に金融庁が公表したPTの中間報告は、昨年11月から10回に渡って開催された有識者ヒアリングで出た意見を並べただけにとどまった。
貸金業者への規制強化を柱とする改正貸金業法をめぐっては、資金繰りに窮した個人事業主が融資を受けにくくなるとして、セーフティーネットを設けるべきなどとする見直し論が出ている。これに対し、多重債務者問題の解消を目指す弁護士らは完全施行を主張。亀井金融相も「まず銀行や政府系金融機関が(個人事業主らへの融資を)担うべきだ」との立場を崩しておらず、議論は平行線だ。
28日には11回目のヒアリングが開かれ、2月以降もPTは続く見通し。政務三役の一人は「何らかの成果を出し6月には間に合わせる」と強調するが、関係者の間には「消化試合をこなしているだけ」という冷めた見方もある。完全施行の見直しで規制強化の回避を期待していた貸金業界にとっては当てが外れた格好だ。
■過払い金請求の対応
唯一、進んだのが消費者金融などの利用者が過去に払いすぎた利息の返還を求める「過払い金返還請求」への対応だ。金融庁は1月、過払い金返還を請求した顧客の履歴を個人の信用情報に反映させない方針を決めた。過去の請求を理由に、新規融資を拒否されることを避ける措置だ。
一方、過払い金返還請求は業界の経営を圧迫。大手4社の平成20年度返還総額は計5826億円で、21年度も同水準となる見通しだ。
返還請求の手続きを行う弁護士・司法書士の中には顧客対応がおざなりだったり、「手数料が高過ぎ手元に何も残らない」といった苦情もあり、日本弁護士連合会は現在、過払い金請求の実態調査を実施。昨年7月に公表した指針の見直しなどを検討。手数料に関する自主規制ルール作りなどが焦点となりそうだ。
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