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改正貸金業法進まぬ見直しPT議論規制緩和見込めず/フジサンケイ・ビジネスアイ(1月26日)
改正貸金業法に関する金融庁のプロジェクトチーム(PT)による議論が混沌(こんとん)としてきた。3年前の施行時に比べて経済環境が極端に悪化。PTが設置されたことで、業界や市場からは規制緩和を期待する声が高まっていた。しかし、亀井静香金融相が予定通り6月の完全施行を繰り返し強調するなど、法改正による規制緩和は見込めない状況で、PTによる議論の成果は限定的になりそうだ。

22日に金融庁が公表したPTの中間報告は、昨年11月から10回にわたって開催された有識者ヒアリングで出た意見を並べたにとどまった。多重債務者問題の再発を懸念する弁護士らは完全施行を主張。一方の見直し派は、資金繰りに窮した個人事業主向けのセーフティーネットが必要とし、「上限金利を年25〜40%まで引き上げる少額短期融資を設ける」などの規制緩和を提案するなど、議論は平行線のままだ。

28日には11回目のヒアリングが開かれる予定で、2月以降もPTは続く。政務三役の一人は「何らかの成果を出し6月には間に合わせる」と強調するが、関係者の間には「消化試合をこなしているだけ」という冷めた見方も出てきた。規制緩和を期待していた貸金業界にとっては当てが外れた格好だ。

唯一、議論が進んだのは、消費者金融などの利用者が過去に払いすぎた利息の返還を求める「過払い金返還請求」の課題。金融庁は1月、過払い金返還を請求した顧客の履歴を、個人の信用情報に反映させない方針を決めた。過去の請求を理由に、新規融資を拒否されることを避ける措置だ。

過払い金返還請求の急増は、貸金業の経営を圧迫。その一方で手続きを行う弁護士・司法書士の対応が社会問題化していた。「手っ取り早く手数料を稼げる」(都内の弁護士)ため、顧客対応がおざなりだったり、「手数料が高過ぎ手元に何も残らない」といった苦情が続出したためだ。日本弁護士連合会は現在、過払い金請求の実態調査を行っており、昨年7月に公表した指針の見直しを検討中。手数料に関する自主規制ルール作りや、指針に違反した場合の罰則規定が焦点となりそうだ。

ただ、請求履歴を信用情報に反映させないことで、これまで以上に返還請求が増加することも予想されるうえ、貸し倒れのリスクが高まる可能性もあり、貸金業界にとってはデメリットも多いといえそうだ。

【用語解説】改正貸金業法 

多重債務者問題の解決のため、2006年12月に成立・公布された。段階的な規制強化が進み、今年6月めどに(1)貸出残高を収入の3分の1までとする総量規制(2)上限金利の現行年29.2%から15〜20%への引き下げ−で完全施行となる。

【用語解説】過払い金返還請求

06年1月の最高裁判決を契機に、顧客は利息制限法の上限金利を超えて支払っていた「グレーゾーン金利」分を返還請求可能となった。消費者金融業者に請求が相次ぎ、経営を圧迫している。

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