改正貸金業法に見直し求める声・金利と総量「同時規制は困難」/フジサンケイ・ビジネスアイ(2月10日)
6月に完全施行される改正貸金業法に対し、景気回復の遅れを理由に、見直しや延期を求める声が高まっている。改正法の上限金利が15〜20%と主要国に比べて低いほか、海外では融資額に収入制限を設ける総量規制の例がないためだ。「2つの規制を同時に行うのは困難だ」(英国の研究者)との指摘も出ている。
シティグループ証券の試算では、消費者金融業者の貸付残高のうち、資金調達や貸し倒れ、経費などコストが占める比率は約18%で、「過払い金請求にかかるコストを含めれば、20%以上になる」という。改正貸金業法で定める15〜20%の上限金利だと、消費者金融が利益を確保するのは難しい。
プロミスが社員を30%削減し、対面営業店を全廃するなど、大手各社がこぞって大規模なリストラに踏み切っているのは、固定費を下げて収益を出すしかないことが背景にある。
過払い金請求はやまず、改正貸金業法による規制強化で、市場規模の大幅な縮小も予想される。消費者金融業者の資金調達先である社債市場や、大手銀行の経営への影響も大きく、景気回復に水を差すことにもなりかねない。
一方、融資総額を収入の3分の1までに制限する総量規制は、海外の主要国で導入している例はない。英国の場合、かつては融資総額を2万5000ポンド(約349万円)までに制限する規制があったが、2006年に撤廃し、上限金利もない。
英国政府は業者間の自由競争で市場を育成しようという方針があり、個人の信用情報に基づいて、融資額や金利を算出する仕組みがある。
英国政府に消費者金融制度の調査報告を行っているシンクタンク「ポリシス」(ロンドン)のアナ・エリソン研究部長は「日本の市場は未成熟で、英国と同列には論じられない。だが2つの規制を同時に行うのは乱暴で、景気に与える影響が大きい」と懸念する。
金融庁が昨年11月から始めた、改正貸金業法に関するプロジェクトチームは、12回の会合を開き、有識者からのヒアリングも行った。早稲田大消費者金融サービス研究所の坂野友昭所長は「消費者金融は、銀行や信金、信組にない無担保融資のノウハウを持つが、政府は消費者金融市場のマイナス面を取り除くために市場を崩壊させてしまった」と批判する。景気に配慮した見直しが注目される。
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