労金、自己破産融資へ6月に改正貸金業法・勤労者の安全網拡充/産経新聞(4月7日)
企業の労働組合やその組合員が加盟する労働金庫の上部組織「全国労働金庫協会」(東京都千代田区)は6日、自己破産者に生活資金を融資する制度を導入する方針を固めた。6月に予定される改正貸金業法の完全施行による規制強化で、消費者金融などからお金が借りられなくなり、自己破産に追い込まれる人が増えると懸念される中、勤労者の「セーフティーネット(安全網)」を拡充する必要があると判断した。
政府も安全網の整備を検討しており、具体策の第一弾となる。金融機関が返済不能になった自己破産者に融資するのは異例。
具体的な制度設計は、全国に13ある各労働金庫に任せる。原則として、会員以外の一般の勤労者も利用できるようにし、自己破産のほか、任意整理も対象とする。審査により、ギャンブルなど遊興費が借金の原因の人は除外し、リストラや勤務先の倒産など経済的理由で自己破産した人に限定する考えだ。
会員向けのモデルケースでは、10年間で最高500万円の融資を受けられるプランなどを想定。非会員向けでは、5年間で最高50万円などを検討している。無担保で、指定機関が債務を保証。金利は会員向けが保証料込みで年8・75%、非会員が年8・875%となる見込み。
全国13労金は計670店あり、個人・団体合わせて約18万2700(昨年3月末)の会員がいる。会員の出資金や総額15兆7500億円の預金を勤労者向け融資などで運用している。
貸金業法の規制強化では、年収の3分の1までしか借りられなくなる総量規制などが導入される。ただ、改正法の認知度は低く、突然、借入ができなくなり、生活に困窮する「借金難民」が続出する懸念が指摘されている。
自己破産した場合、新規融資を受けられなくなったり、クレジットカードを作れなくなるケースが多いため、違法な闇金を利用し、さらに状況が悪化する恐れがある。自己破産者融資などの安全網を整備しておけば、こうした事態を防ぎ、安心して生活再建に取り組むことができる。
安全網を検討している金融庁の「貸金業制度に関するプロジェクトチーム(PT)」が3月にまとめた試案でも、労金の役割に期待を示していた。
【用語解説】改正貸金業法
多重債務問題を解決するため、平成18年に成立した。段階的に施行され、6月に完全施行される予定。上限金利を29.2%から20%に引き下げるほか、借入金総額を年収の3分の1に制限する「総量規制」が実施される。
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